僕にとってのCAMIEL FORTGENS
こんにちは。THIRD PLACEの窪野です。
本日はCAMIEL FORTGENS(カミエルフォーヘンス)のあるシャツについて書かせていただきます。
ブランドについては先日西脇が書いていますので、まだ見られていない方は是非一度読んで見てください。( #1 / #2 )
僕はカミエルの服に7年ほど前に出会いました。
当時、インスタグラムやYoutubeを通してファッションを発信することが本格的にはじまった時代。今では当たり前かもしれませんが、簡単に携帯越しで写真や動画でどんな服があるのかを見ることができるようになりました。その時は新鮮でしたが、簡単に誰しもが発信できる時代だからこそ、ある意味ファッションの正解を突きつけられてるように僕は感じていました。
そんな中で、明確な目的もなく京都のセレクトショップに行った際に目に入ったのが、カミエルのシャツでした。その時初めてブランドも知りました。



7年前に初めて買ったカミエルのシャツ
当時の僕は、衝撃を受けました。
普通?...じゃない。
袖や裾の始末、ボタンのズレ。
だけど至ってシンプル。これもアリなのか。
僕の中でシャツの選び方は難しい。Tシャツやスウェットなら普段着として着やすいが、シャツはどんな場面でどう着たいのかを考えると中々選べない。
ただカミエルのシャツは丁度良かったんです。一枚で着た時の各所の違和感やインナーに入れた時の切っぱなしの見え方に嫌味や奇抜さは感じずベーシックな服にも馴染む。
それはショーツやデニムでも。カジュアルにTシャツやスウェットのように普段の日常着として着やすかった。不完全なデザインが特徴としてあり、シャツのフォーマルな印象を和らげてくれました。
カジュアルなスタイルを好むからこそ、カミエルのシャツは好きで惹かれました。
このシャツは、今日まで何百回と着て、ガシガシ洗ってきました。個人的に一番びっくりしているのは、これだけ着倒してもボタンが一度も取れたことがないこと。それくらい縫製や作りに安心感を持っています。
そこから時が流れ、ここサードプレイスでCAMIEL FORTGENSの取り扱いが決まった時は、本当に嬉しかった。(まさか提案する側になるとは思っていなかった笑)
そして今回選んだシャツは7年前に感じた、あの時の高揚感を再び感じさせてくれました。



CAMIEL FORTGENS "DOUBLE SLEEVE SHIRT"
COL: LIGHT GREY
SIZE: S,M
¥85,000+TAX
ボタンの配置のズレや、裾や袖のカッティング、始末。あのときに感じたカミエルらしさは、今も変わらずそこにあります。
ただ今回は、大胆に広く取られた肩幅と身幅、そして重なり合う袖が特徴的です。
僕はこのシャツをインナーとしてではなく、ライトアウターのようにざっくりと羽織る着方で楽しみたいと思い、セレクトしました。皆さんにも、そんな着方を提案したいと思っています。
なぜなのか。ポイントはいくつかあります。




一つ目が幅。
Size S で肩幅84cm、身幅83cm。
Size M で肩幅85cm、身幅85cm。
それに対して着丈はSで78cm、Mで80cmとビッグボックスシルエットになっています。
大体7XLくらいの見たことないほど大きいサイジングですが、着てみてデカすぎるとも感じませんでした。シャツ地のため脇下に隠れてくれますし、これだけ広いと、もたつきも当たり前にありません。
また、裾の仕様がカーブしたラウンドカットではなく、直線的なボックスカット。
ポケットデザインは縫い目がやや内よりで端が少し出るように、立体感のある仕上がりにしています。
幅、各所のデザインからもシャツだけどガバッと羽織って着てほしい、そんなメッセージを僕は感じました。



続いてが二つの袖が重なっているこの袖。
このデザインのベースにあるのは、1990年代から2000年代初頭のスケートカルチャーやパンクシーンで注目されたレイヤードスタイル。ここ数年も「Y2K」のリバイバルと共に、その重ね着をドッキングさせたアイテムを色んなブランドで見かけます。
他ブランドではロングスリーブ(カットソー)の仕様が多いですが、BALENCIAGAやDries Van Noten、Acne Studiosなどはシャツとして作っています。
ただ、このカミエルのダブルスリーブは、単に袖を2枚重ねただけではないと僕は思っています。
よく見るとボタンの配置が不均一になっていますが、これは「半袖シャツ」と「長袖シャツ」のボタン配置を1枚に合体させているからだと予測しています。
袖だけでなく前立て(ボタン)まで、2枚のシャツを1枚に落とし込んだ、非常に意味のあるデザイン構成です。
視覚的にインパクトはありつつもチェックやストライプ、艶のある生地ではなく、カジュアルなマットなグレー色の生地で作っているとこもカミエルらしい選択だと思います。
また、このカミエルのダブルスリーブは、肩から背中にかけて生地が自然に落ちるドレープ感やルーズなシルエットを活かすためにバックヨークにタックは施していません。そして、カフスがありません。
普通のシャツの要素がここにはありません。
襟やボタンの大きさはそのままに、最低限は残しそれ以上は排除する。
だけどシャツに見える。
その錯覚のような感覚が非常に面白いです。



167cm : size S
ただシャツをアウターとして着るのではなく、これらのあらゆる要素を見て僕はこのシャツをライトアウターとして着たいと思いました。
先月のブログで重ねて着たいシャツや先日のブログのインナーでのタートルネックなど、個人的に今期テーマである”重ね着”を楽しみたいと思っています。
特にカジュアルといえばのフーディー合わせは推したい。
シャツとして作るシャツだと合わせづらいからこそ提案させていただきたいです。

HELS × THIRD PLACE "HOODIE SWEAT(GRAY)"

Ernie Palo "Hooded Knit P/O(BROWN)"

CAMIEL FORTGENS "TRACK JACKET(LIGHT YELLOW)"
カミエルの服はあの時といい意味で変わりません。それはデザインもですが、それ以上にファッションの自由や楽しさを改めて教えてくれました。
これはこう着る!もいいですが、どう着ようか考える過程もファッション好きとしては醍醐味だと思いますし、自由だからこそ正解を求めずに楽しんでいただきたいです。
色んな服を見ていると、昔感じた”やばい、かっこいい”といったストレートに思う高揚感は減ってきます。
いつしか服を選ぶ基準が固まり合理的になってきます。
だから選びました。だってかっこいいですし、新しいからすごく魅力的。
言葉のサポートは要らないくらいド直球にかっこいい、楽しい服です。




カミエルの服は、他のブランドに比べて値段がします。
もちろん生地や作る工程からも時間がかかる服だからではありますが、ただ綺麗に作ることだけを目指すのではなく、ズレや不完全さもデザインとして残している。僕はそこに、他の服にはない価値を感じています。
そして、それは外から見えるデザインであり、中の作りはとてもしっかりと綺麗に作られています。
僕は今の時代において、この行為はある意味無駄と思われるかもしれません。もっと効率よく合理的に作る方がいいとも思う人もいるでしょう。
AIも進化してきていますが、改めてこういった人間味のある(人の手を感じる)服に僕は惹かれます。
こうしてブログを書いていて、改めて”アイデア”のある服が僕は好きだなと思いました。
それは今回のカミエルに然り、TOZAOUやWELLもです。
このシャツは、アイデアで概念を壊した僕にとって新しい服です。
正解を突きつけるのではなく、僕はこのシャツをライトアウターとして皆さんの新たな選択肢として提案します。
最後に、最近カミエルのサイズ感についてお店でもよく聞かれるのですが、お店で選んでいるサイズは最小サイズを僕(167cm)と西脇(168cm)のサイズで選んでいます。
基本的にカミエルはサイズS。
またサイズMは大体175cm以上の方に着ていただけるイメージでセレクトしています。
こちらも参考にしてみてください。
