ISSUETHIGS for THIRD PLACE
こんにちは。THIRD PLACEの西脇です。
THIRD PLACEだけの特別なスラックスをISSUETHINGS(イシューシングス)に作っていただきました。
ISSUETHINGS(イシューシングス)は日本のブランドで、26SSシーズンよりお取り扱いをスタート。
ブログではイシューシングスについてはじめて書きますが、既にこの場所で欠かせない存在です。
今回お披露目するスラックスを紹介していく前に、まずはイシューシングスについて、いろいろとお話させてください。

先日サードプレイスメンバー3人でデザイナー渡辺さんに会ってきました。
目的は二つあって、まず私たちがイシューシングスについてもっと知りたいと伝えたところ「普段私が洋服を作っている染め屋さんと縫い屋さんの工場を直接ご案内しますよ。」と提案していただきました。
もう一つが今回の別注スラックスの撮影を渡辺さんのアトリエで行うことが目的でした。
渡辺さんは神奈川県川崎市に拠点を置き、活動されているので、最寄り駅まで向かい、車で迎えにきていただきました。
その移動中の車内で改めて直接聞きたかったことをいくつか質問しました。

(西脇)
今さらになりますが、イシューシングスをはじめたきっかけ、聞いてもいいですか?
(渡辺)
実は中学生の時から、ファッションデザイナーになるのが夢でした。
ただブランドをやるまでの道のりは他のひとに比べたら遅かったです。
(西脇)
具体的に聞いてもいいですか?
(渡辺)
まず高校卒業後、美大に進学しました。そこでグラフィックについて学びます。今考えれば洋服を作れるようになるために洋服の専門学校を選ぶ方がよかったのですが、通っていた高校が環境的に大学に行く学校だったので、自分も大学を目指しました。その中で自分がやりたいことに近く、興味があった美大を選びました。
ただ大学卒業後、広告代理店に就職したんです。ファッションとは違う場所で働きました。
働き始めて数年が経ったとき、ふと思いました。
本当にやりたかったことから遠いところにきてしまったなぁ、と。
そこでもともとやりたかったファッションデザイナーになるため会社を辞め、文化服装学院へ通います。
卒業後、29歳の時にイシューシングスをはじめました。
最初の展示会をやろうとした時がちょうどコロナのタイミングと重なり、焦りましたが、そこから1、2年くらいやってだめなら辞めようと思う気持ちでスタートしたんです。

(西脇)
現在ブランドをはじめて7年。デザイナーになり7年。ここまでの道のりの中で、今、渡辺さんが、デザイナーとして大切にしていること。聞きたいです。
(渡辺)
私的な幸せよりも、体を壊してでも制作を第一にすることです。そして世に少しでも多く服を送り出したいです。
(西脇)
今イシューシングスが目指していることは?
(渡辺)
西脇さんがはじめて見にきてくれた26SSシーズンのコレクションがブランドとして今までと違う変化を起こしたタイミングでした。
具体的に言うと、今ブランドとして大事にしていることは、良い生地の良いものを作りつつ、B品と呼ばれる製品など普段は日の目を見ないものにもフォーカスして制作したいと思っています。
決して狙って両方をやりたいわけではありません。
私はどちらも本当に良いものだと思っているからこそ、自然とそういう考え方になっています。

いろいろとお話を伺っているうちに、染め屋さんに到着しました。
「ちょうど今、この染め屋さんで26AWのうちのシャツを脱色してもらっています。」と聞き、私たちはワクワクしながら中に入りました。






ここで加工を決め、この機械はこう使い、工場長が手で染めています。
とデザイナー渡辺さん自らいろいろと説明してくれました。
工場長が「渡辺くんはうちの社員だから」の一言が印象的で、普段から足を運び、信頼を得ている関係なのが分かりました。
自分が作られる洋服のことをしっかりと理解し、一緒に洋服を作る人たちも大切にする。
それにしても知りすぎじゃない?笑 と思うほど(冷蔵庫のアイスの場所まで)、作っている現場の方からの信頼と渡辺さんの服の向き合い方がひしひしと伝わってきました。
イシューシングスが使っているこちらの染め屋さんは、難しい染めやこだわりたいときにこの場所を使っていると。説明してくれました。
実際に加工前と加工後のものも見せていただけて、実際にこうやって完成しているんだと分かりました。
そしてこのシャツはこれで完成ではありません。
「前ボタンをつけるため、縫い屋さんにもう一度戻します。」とのことで、「そこも近いので一緒に行きましょう。」と次にその縫い屋さんにも案内していただきました。

着いて率直に思ったのが、想像より小さな場所であったこと。
勝手に何人の方で縫っているかと思いきや「ここは一人で縫っています」と。驚きました。
大きいところだと何人かでパーツを分担して縫い、完成させていくのですが、ここはお一人で最初から最後まで完成させていくので、多くの量はこなせないんです。
社長さんが「もうこの場所を畳もうと思ったことがあったのですが、そのタイミングで渡辺くんと会い、今もこうして続けている。」と話してくれました。
続けて「うちで縫っている方ももう高齢、いつまでやれるか分からないから、やれるまでやる。だからよろしくお願いしますね。」と言っていただいた時は胸がグッときました。
今ある服が、当たり前ではない、そう再認識させられました。
作業台の隣には完成したイシューシングスのシャツが掛かっていましたが、現場に行ったからこそ感じられる、一枚一枚の思いをしっかり感じました。

そして奥には渡辺さんのお気に入りの場所があり、そこにも案内していただきました。
「ここの初代社長が集めた貴重な生地達です。」
すんごいカシミアや、見たことない柄、メゾンが扱う生地まで勢揃い。
この生地でこんな服を作ったら、とついついこちらも妄想してしまう楽しい時間でした。

今日見させてもらった工場はどちらも神奈川にあり、渡辺さんのアトリエもこの近く。
「この近くにアトリエを選んだのも工場が近いからというのが大きな理由です。気になればすぐに様子を見に行けるし、工場に行けばより洋服のことも学べるんです。」
「僕はデザイナーになったのが遅かったからこそ、人一倍洋服と向き合い、学びたいんです」
洋服への愛と、ストイックさはデジタル上では分からなかったイシューシングスの体温を感じました。
渡辺さんの印象はいつもフラットに気軽に答えてくれます。
僕からいろいろと質問をした時も、簡潔に、ピュアな言葉で、力強いお話をされるので、聞いていて気持ちがいいです。
何より一緒にいると言葉以上に、行動から、誠実さと熱量が伝わります。
そしてその姿に、周りの方からも自然と支持されて、すごく愛されているのが素敵です。
サードプレイスメンバー全員でこの工場見学が行けて本当によかった....!!

そしてブランドのこと以外にこちらも質問していました。
(西脇)
渡辺さんから見たTHIRD PLACEはどんな感じでしょうか?
また今回の企画はお取引き前にも関わらず引き受けていただきました。了承、参加していただけた理由も聞きたいです。
(渡辺)
最初にサードプレイスへ行った時、なにより空間が気に入りました。
そしてお引き受けしたのはyokeやherillといったお世話になっている先輩方の服が、他のお店とは違った編集のされ方をしていたことにとても心が惹かれたからです。
あとは一番最初にイシューシングスのお取引を開始したのが三好さんがまだいらっしゃるタイミングの1LDK様で、返しきれない恩がありました。
渡辺さんに最初に会ったのが去年。
自分がこれまで働いた場所、一緒に働いてきた人、そして共通につながっている人が多かったのですが、渡辺さんの存在は知りつつも直接面識はありませんでした。
そして出会うきっかけになったのは去年パリでアナザーアスペクトのディナーのときにエスメラルダサービスドデパートメントのバイヤーcocoさんとイシューシングスの話をしたことがあったのですが、彼女から「絶対に二人は合う!」と言っていただけて、帰国後すぐにcocoさんから紹介していただきました。
お互いに、はじめましてをした時、渡辺さんも僕のことを知っていただいたみたいで「やっと会えましたね」って感じになりました。笑
そこからこれまでのお互いの仕事についてや、服のこと、考え方、いろいろ話したと思います。
もちろん人との繋がりが出会う要因にはなりましたが、最終的にセレクトを決めた理由は、やっぱり「洋服」がよかった。自分が着たい服でした。
そしてサードプレイスで大事にしている「人」との関わり方や考え方も共感ができることが多く、実際に会って、一緒にこの場所で仕事をしたいと思いました。
そして自分の中でイシューシングスのコレクションを見て感じたことがあったので、お取り扱いを正式にスタートする前にも関わらず、今回の企画をリクエストさせていただきました。
明日のブログで、THIRD PLACEだけの特別なスラックスについて、しっかりご紹介していきます。